作曲理論 No.2〈曲の構成:分析〉

Fat oneです。前回は導入部が長々と入りましたが、今回から曲の『構成』についてしっかり語っていきます。あくまで私自身の見解ですが、私が普段行っている作曲の手順に沿って解説していきます。まずは、『分析』から行います。

曲を書くにしろ、小節を書くにしろ、絵を書くにしろ最初に行う作業は構成を考えることだと思っています。もちろん、どのような曲を書きたいかというアイディアありきでの話ですが。

骨組みを建ててから細部を詰めていくほうが効率的です。特に、曲が長くなれば長くなるほど構成の大事さが身にしみます。むしろ直感的に創造できている芸術家は「天才」の称号を与えられているのではないでしょうか。クラシックでいえば、モーツァルトとかですかね。

さて、では実際に曲を分析してみましょう。長くなると大変なので、曲の一部を切り取って見ていきます。取り上げるのは「ベートーベン:ピアノソナタ Op.2 第1楽章」の冒頭部分です。

 

最初のドの音がアウフタクトになっていて、そこから8小節分の分析をします。
まずは、頭の2小節だけみます。(少し画像が汚いのはご容赦下さい。)

1小節目をaの要素、2小節目をbの要素とおきます。

1小節目(a)は4分音符の上行形で跳躍進行、2小節目(b)は下行形で順次進行になっています。この時点ですでに色々な要素が含まれていますね。しかも各小節が「対比」の関係になっています。「対比」は作曲する上で重要な表現です。この曲の中には他にもたくさんの「対比」がちりばめられています。

次に、この2小節のコードをみます。この曲は f moll 、ファの音を主音にした短調の曲です。2小節を通し、f moll の Ⅰ 度(ファ・ラ・ド)の和音が置かれています。この2つの小節をAとします。

3、4小節目は1、2小節目と同じ様にaとbの要素で作られています。変わっている点はコードが Ⅰ度から Ⅴ 度(ド・ミ・ソ)になっている点です。コードの変化に従い、弾く音はもちろん変わってきます。しかし、音形自体の変化はないので、この2小節もAということができます。

次の2小節からメロディー、コード進行共に変えてきています。bの要素を2つ続け、コードも Ⅰ→Ⅴと1小節ずつに置いています。この2小節はBとします。

最後の2小節ですが、ぱっと見ても今までの所との違いがわかります。では、まったく別の要素が入っているのか。実は違います。2小節をかけて、頭のドの音から最後のミの音まで順次進行で下行形になっています。これはbの要素の変形だと言えます。ですので、この2小節はB’とおきましょう。音の長さを変えることでメロディーに変化を付けています。

さらに、コード進行も1小節ずつではなく、2拍ずつ変えています。コードだけみると、2小節→2小節→1小節→1小節→2拍→2拍と徐々に短くなっているのもわかります。これは、徐々に緊張感を作っているといえます。

最後まで分析しましたが、結果、この8小節の構造は、

A (a+b)→ A(a+b) → B(b+b) → B’(bの変形)

になっていることがわかります。Aを発想の基点とすると、2回目のAはコードのみの変化、Bはbの要素は使い、B’はさらにbの要素を変形させて作っていることがわかりました。

実際の所、ベートーベン先生がどこまで頭で考えて作ったかはわかりませんが、(もちろん感覚的に作っているかもしれません)、この8小節だけでも綺麗な構造になっていることがわかります。

この分析を利用して作曲を進めていきます。つまり最初の2小節で、自分的にはまる音楽が書けたら、そこからは理論で埋めていけるということです。ちなみに感覚的に書いていくことは、この記事の中ではとりあえずは触れていきません。なしにしておきます。

同じことを2回続けた後に、違う変化にもっていく方法を『ホップ・ステップ・ジャンプ方式』と私は呼んでいます。この構成では、Aを2回やった後のBへの変化のことです。

次回の記事では、構成を分析していると必ず出てくる、この『ホップ・ステップ・ジャンプ方式』について書いていきます。

それでは、また次回に。Fat oneでした。